ミシェル・マンマン (日本での博士課程の旅路:MJ-STePを通して)
所属、学歴、研究内容
筆者であるメシェル・マンマンは、フィリピン南東部大学(University of Southeastern Philippines:USeP)のタグム・マビニ(Tagum-Mabini)キャンパスにおいて、農業科学部、農業及び関連科学科に所属する講師及び助教授です。筆者は土壌科学・作物科学クラスターの一員で、農業研究、農業普及活動及び教育に従事しています。
筆者は広島大学大学院統合生命科学研究科、生命環境総合科学プログラムにおいて、農学の博士課程を履修しています。筆者は2022年9月(秋入学)に博士課程の旅路を始め、2025年9月までに3年間の博士課程プログラムを修了する予定です。
筆者の研究は、菌糸により感作される土壌中の微生物間相互作用に影響を与える要因に焦点を当てています。具体的には、真菌が細胞外に分泌する分子の特性と、非生物的ストレス条件(例えば熱ストレス)の下で微生物間相互作用に影響を与える菌糸表面の物理化学的変化を調べています。
この基礎研究により、熱水処理による土壌伝染性病害が減少する現象に、これらの性質がどのように影響を与えるかをより深く理解することができるようになります。より広い観点では、土壌の健全性を持続可能に保つために不可欠な土壌生物学的プロセスに関する知識を向上させます。
この研究は基礎的なものですが、その応用の潜在性はミンダナオにおける土壌伝染性病害の管理に及びます。病害の調節、生態系の多様性の維持、生物機能の強化において決定的に重要な役割を果たす土壌生物多様性の中核的機能はしばしば見過ごされています。この研究は、土壌内で自然に起こる相互作用を理解することにより、より持続可能で生態学的に健全な農業実践を支援することを目指しています。
日本での生活

博士課程のために日本へ来たことは、筆者にとって同国を訪れる初めての機会でもありました。最初のうち、言語の壁や研究室の勤務文化により、日本の生活への順応は困難でした。しかし、筆者は適応し、時間とともにその経験から貴重な洞察を得ました。
広島大学は東広島市に位置しており、広島市からローカル電車でおよそ50分です。広島は、世界で最初の核攻撃の地として歴史的に重要な場所であり、過去を思い起こさせる記念館や博物館が保存状態よく残されています。対照的に、東広島は日本酒の首都である安芸で知られており、賑やかな都市から離れた穏やかな雰囲気を提供しています。
地域の料理は、筆者の経験の中で、もう一つのハイライトでした。広島はお好み焼き(風味豊かなパンケーキ)、新鮮な牡蠣、柿をはじめとする、この地域の郷土料理で有名です。歴史的名所の探訪、地元料理の味わい、文化的フェスティバルへの参加などの際、人々の温かいおもてなしと親切さにより訪問者は歓迎されていると感じます。筆者は滞在中に、宮島、岩国、岐阜県の白川郷など、近隣のユネスコ世界遺産を訪れる機会にも恵まれました。各目的地は独自の魅力を持ち、特に紅葉が彩る秋や、桜が満開になる春には、景色が鮮やかに変化します。
最後の感想
日本で生活し、学ぶことは、筆者にとり変革的な経験となりました。新しい環境、言語、学術文化に順応することは、当初は困難を伴いましたが、その旅路は非常に充実したものでした。日本は学問的及び文化的な成長に優れた環境を提供しており、筆者はこのようなダイナミックで刺激的な環境で研究を追求できる機会に感謝しています。