三輪理事長の東南フィリピン大学(USeP)訪問

2025.06.02

 6月2日、三輪芳明理事長(President Yoshiaki Miwa)は東南フィリピン大学(University of Southeastern Philippines: USeP)を訪問し、ガバレス学長(Dr. Bonifacio G. Gabales, Jr.,President)などと意見交換するとともに、MOA更新のための署名を行いました。

 冒頭、三輪芳明理事長より3月14日のミンダナオにおける提携先4大学学長との会合の結果を踏まえ、日本への帰国後、日本の大学と提携4大学との共同研究の可能性を探るため、日本の研究者を訪問しミンダナオにおける農業の振興に資する共同研究のテーマなどにつき意見交換を行ったこと、それらを踏まえると、あり得べき共同研究のテーマの一つは、作物の収穫後に圃場やプランテーションに残る葉や茎などの作物残渣、野菜や果物の加工の過程で発生する残渣、魚介類加工残渣、規格外(off-grade)農産物などを多角的に有効活用するシステムを構築し、機能性食品や化粧品などの新たな産業を育成する、更に、これらを飼料、肥料、バイオマス発電などに活用することが考えられる旨を説明しました。また、これらの廃棄物の活用については、プリ・ハーベストとポスト・ハーベストの双方の局面を如何に強化し、同時に持続可能な農業の発展の実現に努めるべきとの考えを説明しました。

 これに対し、ガバレス学長より、USePでは、家畜排泄物の活用、バナナの皮のバイオマスへの活用などに関する研究が行われてきた実績があるので、これらを強化していきたい、他方、例えばカカオハスク(注)の一部は家畜飼料に利用されているが、殆どが廃棄されているとの発言がありました。同学長によると、大量に発生しているバナナの皮などの農業廃棄物を機能性食品生産に活用する研究は重要である、例えば、ポメロから抽出される油脂を有機肥料や有機殺虫剤に活用できるだろうとのことです。
(注)カカオ豆の種皮。焙煎したカカオ豆からチョコレートを製造するためには、種皮であるカカオニブ(カカオ豆の胚乳部)にカカオニブが混入しないよう取り除く必要がある。チョコレート製造過程で大量に発生するので、その有効活用が課題となっている。

 USeP側よりは、現在同大学はアポ山(Mt. Apo。フィリピンの最高峰)周辺の自然保護地域をUNESCOのグローバルジオパークの認定を得るための研究を進めているので、この分野で日本の支援を得ることが出来ると有難いとの説明がありました。同保護地域には、アポ山周辺にしか生息しない固有種の植物が生息し、フィリピン・イーグルの貴重な生息地域です。他方、この地域に居住する少数民族の生活条件を生物資源を損なうことなく改善するための研究が必要とのことです。

 約1時間の有益な意見交換の後、三輪理事長(President Yoshiaki Miwa)とガバレス学長は(President Bonifacio G. Gabales Jr.)はMJ-STePとUSePの協力関係に係るMOUを更新するための署名を行いました。

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