ラモン3世・グレゴリオ(地球から宇宙へ架ける橋)

「宇宙探査研究の最前線にいることは、刺激的な挑戦であると同時に、「一生をかけて追い続けている夢」です。筆者は現在、アテネオ・デ・ダバオ大学の航空宇宙工学科の教員として在籍しながら、MJ-STEP奨学生として東京科学大学(旧・東京工業大学)の笠井研究室において、学際融合科学技術修士課程を履修しています。筆者たちの研究室は、衛星リモートセンシングデータを用いて地球の大気状態を調査したり、月のような天体の地下資源をマッピングしたりする研究を専門としています。筆者の研究は、月の地下に存在する氷の堆積をマッピングする予定のTSUKIMI衛星計画に貢献しており、現在はそれらの氷がどのように変化し、最終的に宇宙空間に昇華するのかを理解するための昇華モデルを開発しています。日本に住むことは常に夢でしたが、最初は新たな言語、文化、環境に順応することはチャレンジでした。しかし、素晴らしい友人たちに出会えたおかげで、(新たな環境での)スタートは大変助けられました。筆者が気づいた最も顕著な相違点の一つは、日々の通学や長距離の徒歩移動により、生活全体が非常に身体的に活動的であるということです。最初は筋肉痛に悩まされましたが、日本のより健康的な食事と相まって、結果的にかなりの体重を減らし、全体的に健康になりました。研究以外にも、日本の息を呑むような自然風景と豊かな文化遺産を体験する機会に恵まれました。例えば、湯沢で初めて雪を見たり、鎌倉から富士山の雄大な景色を眺めたり、九州で国際学会において自分の研究を発表したりしました。大学と生活のバランスは非常に良く、研究への強い重点がありながらも、課外活動への参加も奨励されています。筆者は天文部に参加しており、自分の専門分野にもぴったり合っているこの活動は、オリオン大星雲や月などを観察するため、遠隔地への素晴らしい天体観測旅行にも筆者を導いてくれました。日本での毎日は新たな発見の連続であり、今後の研究や人生におけるあらゆる機会に胸を躍らせています。筆者の目標は、宇宙探査に貢献することだけでなく、日本への留学を目指す学生や研究者の架け橋となり、自分の経験を共有することで、彼らが自分自身の旅を始める際の励みや道しるべとなることです。