レイ・マシュー・エティエンヌ・アセオチェ(日本語教師としての挑戦と成長の軌跡)

ミンダナオ国際大学/
京都外国語大 留学生別科プログラム

私は2022年にフィリピンの南東フィリピン大学(University of Southeastern Philippines, USeP)を卒業し、英語教育学の学士号を取得しました。大学を卒業後、フィリピンのダバオ市で日本語を教えています。私の専門は英語教育でしたが、応募した際に英語教師の空きがなかったため、最終的に日本語を教えることになりました。さらに、日本への関心と好意もあって、日本語教師として応募しました。
私は「カミナリ(Kaminari)」という日本の舞踊クラブのモデレーターも務めています。このクラブでは、太鼓やお神輿、よさこい、祇園小唄など、伝統舞踊と現代舞踊の練習および公演を行っています。「カミナリ」クラブは、毎年開催される学校祭「フィリピン-日本祭り」や来訪者への歓迎の際にも公演を行っています。

三輪義明さんと三輪豊明さんのご厚意により、私はこの奨学金を受け取ることができました。この奨学金は、私の学校で日本語を教えている教師の日本語能力と日本文化への理解を向上させることを目的としています。その結果、私たちは学生に対して、より質の高い日本語教育を提供できるようになります。

この奨学金により、私は京都外国語大学で1年間学ぶ機会を得ました。これは2024年9月に始まりました。秋学期には、「総合中級日本語」10科目、選択科目4つ、文化体験科目1つを受講しました。すべての科目は日本語で教えられ、日本語で学びました。文化体験科目では書道を選びました。
「総合中級日本語」の授業では、日常生活で言語スキルをどのように使うかを学びました。例えば、「聴解と会話」の授業では、店員としてのおすすめの仕方、様々な人との交渉の仕方、言語的なサインや合図の伝え方を学びました。「日本史」では、日本が内戦に苦しんでいた国から高度に発展した国へと変貌した歴史を学びました。「書道」では、ひらがなやカタカナの起源、三つの書体について学びました。さらに、会話力も大幅に向上しました。

春学期の予定としては、作文と会話の授業を選択したいと考えています。また、文化体験科目では茶道の授業に参加したいと思っています。

MJSTePのご支援とご厚意のおかげで、学費、生活費、その他必要な費用をすべて負担していただいています。それでも私は、日本社会や職場文化に慣れるために、2つのアルバイトをしています。アルバイトの給料で、さまざまな歴史的・文化的遺産を訪れたり、訪れた場所の名物を味わったりしています。さらに、多くの日本人の友人ができました。彼らは私を有名な場所に連れて行ってくれたり、大阪大学や関西大学などの有名大学を紹介してくれたり、日本酒の試飲や能の観劇といった貴重な体験をさせてくれました。彼らはまた、私が知らなかった文化や考え方を教えてくれ、日本人の思考様式や生活様式について多くを学ぶことができました。これらは教科書にはあまり載っていない内容です。

京都は関西地方に位置し、この地域特有の自然や雰囲気に大きく貢献しています。関西といえば、壮麗な城、印象的な寺院、古の伝統などのイメージが思い浮かびます。美味しい料理もたくさんあります。たとえば、京都府宇治市の茶、大阪のどて焼きやたこ焼き、兵庫県の神戸和牛などです。日常生活と高貴な歴史が融合して、関西地方特有の温かい人柄が生まれているのだと思います。

MJSTePのご支援とご厚意のおかげで、京都での学びを通して、日本、日本人、そして先進国の歩みに対する理解を深めることができました。そしてそれは、私の考え方や習慣に大きな影響を与えました。たとえば、時間に対する意識を特に重視し、知識や学びに価値を置き、感謝やお礼を丁寧に伝えるようにしています。また、人として、そしてフィリピン人として、多くのことに気づき、学ぶことができました。日本での滞在を振り返ると、私は京都の「関西人」になったと言えるかもしれません。