三輪理事長の科学技術省第10管区事務所(DOST-Region X)訪問
2025.06.106月10日、三輪芳明理事長は科学技術省第10管区事務所(Department of Science and Technology – DOST-Region XI)を訪問し、ラティラ管区長(Dr. Romela N. Ratilla, Regional Director of DOST X)と意見交換を行いました。同管区長は2000年に北九州市で工業排水に関する研修を受けた経験があります。DOST Xが重視する分野に関する三輪理事長(President Yoshiaki Miwa)の質問に対し、同管区長より、DOST Xはソリドゥム科学技術相(Secretary of DOST, Dr. Renato U. Solidum, Jr.)が重視する4項目、すなわち、①富の創造(Wealth Creation)、② 富の保護(Wealth Protection)、③ 人々の福祉の向上(Promotion of Human Well-being)、④ 持続可能性(Sustainability)を重視しているとの説明がありました。これら4項目の中で特に重要なのは「人々の福祉の向上」とのことです。三輪理事長よりMJ-STePの理念及び重点分野、また、農業関連プロジェクトを説明したところ、同管区長(RD Romela N. Ratilla)より、DOST X とMJ-STePは幅広い分野で協力出来るだろうとの発言がありました。
ミンダナオの豊富な農業資源を活用した機能性食品の開発については、第10管区内の大学で研究が行われているものの、現時点においてはブレークスルーに至るような研究成果を得ておらず、日本などの外国の研究機関との協力が重要と考えているとのことです。加工食品産業の育成と並び、農業の生産性を高める他のスマートアグリカルチャー関連の研究も重要であり、そのための予算配分も行っている。その一例は、悪天候に脆弱な高品位作物の栽培を促進するための温室技術の積極的活用である、現在、ミンダナオでは温室が十分に活用されていないとのことです。
健康医療分野での課題如何との三輪理事長の問いに対し、同管区長より、生活習慣病(NCDs)が大きな課題であり、肥満と栄養不良の双方の問題を抱えている、かつては高齢者が罹患した疾病が若年層でも拡大してるとのことでした。糖尿病対策が重要だが、腎臓疾患が増大していることも大きな問題であるとのことでした。